Blog.おにぎりたまごうぃんなー

Suzuki Yuki@s12bt おべんと箱みたいに色々つめこみたい。仕事とかデザインとか料理とか好きなもののことを書きます。

Anovaで発酵食品をつくる-テンペ編-

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farmtory Advent Calendar 2018 24日目の記事です。
farmtory-labは、新しい暮らしを作る、衣食住で遊ぶ、をテーマに、テクノロジーを使った食べ物の栽培や、道具作りなどに挑戦するコミュニティです。

肉以外にAnovaをつかえないか?

New: Anova Precision Cooker - WIFI 2nd Gen (900 Watts)

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低温調理器Anovaです。水温を一定の温度に保つことができ、肉や魚などの低温調理を行うことができます。
肉料理に使うとたしかに柔らかく美味しいものができてとても活用できているのですが、肉、魚などのタンパク質調理以外に活用の道はないかと思っていたところでした。

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牛、豚、鶏を低温調理したもの。おいしい

テンペとの出会い

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テンペのカツレツ
とあるお店で、テンペのカツレツをいただく機会がありました。多少噛みごたえのある柔らかさ、どんな料理にもできそうな癖のない豆の味。最初は正体がわからないまま食べていて、後にインドネシア発祥の大豆をテンペ菌で発酵させた発酵食品であることを知ります。おいしい。肉の代替食品として扱われることが多いらしい。

Anovaでテンペ菌の発酵ができる

テンペの作り方を調べてみると、大豆にテンペ菌を付与したあと30℃程度の温度で発酵をさせる必要があり、発酵機、保温器を使用する必要があることがわかります。保温ができればいいので、発泡スチロールケース+湯たんぽ、こたつ、ヨーグルトメーカーで発酵させる事例なども見つけることができました。
Anovaの設定可能温度は25℃〜99℃。これはイケる…!

低温調理肉と違って、空気(酸素)が必要

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肉の低温調理ではジップロックからできるだけ空気を抜く
肉を低温調理する際は、ビニールに調理対象をいれてAnovaをセットした水の中に入れるのですが、空気があると水温から伝わる熱のロスがあるため、なるべく空気を抜くのがセオリーです(そもそも水圧で空気が結構抜けてしまうのですが)。
しかし、テンペ菌の発酵には酸素が必要です。なのでAnovaをセットした見ずに容器を浮かせる方法でできないかどうかを試してみることにしました
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Anovaと大豆容器を浮かせるイメージ図

やっていく

テンペの標準的な作り方はこんな感じです。

  1. 大豆を一晩程度、酢水につける
  2. 大豆の皮をむく
  3. 大豆を茹でる
  4. 大豆にテンペ菌をまぶす
  5. 30℃程度で発酵させる

テンペ菌はこちらで購入し、作り方もこちらで紹介されたものをベースに行っています。
kawashima-ya.jp

鍋にAnovaと容器をセットする

100均で蓋付きのちょうどよさそうな容器を見つけたので確保。保温温度は30℃前後ですが、菌を扱うので熱湯消毒を行いたかったので耐熱のものを選んでいます。

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危惧していたとおり、容器に200g程度の重さを加えた程度では浮力で容器が浮いてしまうので、プラスチックダンボールで固定治具を作ります(が後にこれでも浮いてしまうことがわかる)

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鍋にAnovaと容器を固定する

テンペ菌を増やす

テンペ菌と片栗粉を1:9の割合で混ぜてテンペ菌を増やしておきます。今回は大豆200gに対して、テンペ菌2g、片栗粉18gの合わせて20gの粉を用意しました。これでテンペ菌が増える理屈はよくわからない。でも増えるって書いてある。

大豆をやっていく

大豆を一晩酢水(雑菌繁殖予防のため)につけ、豆が水分を吸ったら皮を向きます。
皮むき作業が地味に辛く、途中からNetflix見ながらやっていた。1時間かかった。

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むきむきむきむき

皮を向いた大豆を1時間ほど酢水で煮て、ざるに空けて40℃程度まで冷まします。冷ますときにできるだけ水を切って、豆の表面を乾燥させたほうがいいらしい。

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煮た大豆にテンペ菌をまぶし、熱湯消毒した容器に入れます。200gの大豆が360gになりました(180g×2)。

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Anovaにセット

Anovaは32℃にセット。容器がしっかり水に浸かり、中の大豆が30℃程度になるように調整します。

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フタ部分を便利に使った

浮力に負けて浮いてきてしまったので、無理矢理沈めています。

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20時間で発酵完了

バラバラだった大豆が固まって、表面が菌糸で覆われたら完成です。触ってみると、表面は菌糸のふわふわを感じるけど、大豆のもちっとした弾力があり硬め。食べ物なのか不安なヴィジュアルではありますね。

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菌糸で覆われると抵抗のある見た目になる

食べてみる

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切ってみる

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素揚げ

素揚げにして、塩/カレー粉/レモンなどをつけて食べました。おいしい。揚げるとヴィジュアル面の不安さが取り除かれて、食べ物の見た目になります。
味は、大豆がまろやかになった感じ?発酵食品っぽい主張もなく、少し歯ごたえのある大豆ブロック。肉の代替食品となるのもわかる。癖がないので日常食にいいかもしれない。
油との相性がいい食品らしいので、揚げたり、炒めたりとレシピの幅は広そうです。

できあがったテンペは冷蔵で2-3日、冷凍で長期保存が可能らしい。発酵が進みすぎると黒くなってしまい食べないほうがよさそうとのことなので、発酵が完了したら早めに保存処理をしたほうがよさそう。

Anovaは肉だけのものじゃない

発酵機/保温器など場所をとってしまうので、コンパクトなAnova1台で発酵機の代替ができるとわかったのは大きな収穫。ヨーグルトメーカーなどで低温調理をやっている例は見たことがあったけどその逆は見つけられなかったのでちょっと不安だったのだけれど。
納豆とヨーグルトにも挑戦してみたい。